| 
     
      
      同じカナコ編みではありますが、全く別ものと考えておいたほうが 
      良いでしょう。後一つペーパーコードは非常に硬いので、鋭角部分 
      では折れてしまいうまく馴染みませんし、見栄えも悪くなりその部分 
      で切れやすく耐久性が落ちますので、フレームのペーパーコードを 
      掛ける部分(角)は必ず大きい R を付けておく必要があります。 
      これは必須ですから、設計の段階からフレーム仕様を良く考えて 
      おきます。 
      ただカナコ編みの性質上(捨て巻きがあるため)、初めに縦巻きを 
      巻く前後座枠の向かい合うそれぞれの、上内側だけは大きい R  
      を付けますと、この部分の縦巻きと横編みに隙間ができてしまい、 
      見栄えが悪くなりますので、多少折れ気味になっても、ペーパー 
      コードの耐久性が落ちない程度の、必要最小限の面取りにしてお 
      く必要があります。勿論左右の座枠は横編みですから、巻き付け 
      ずに掛けるだけですから、内側はどんな面取りでも構いません。 
      このことからシェーカーチェアーのように座枠部分を丸棒で構成す 
      るようなイスでは、カナコ編みは収まりが悪くなりますので、不向き 
      です。もしカナコ編みをするのであれば、前後の座枠だけはそれ 
      に見合った仕様にしておく必要があります。 
     
      またこのイージーロッカーのように背座連続編みで、円弧部分を 
      埋める場合に、綿ロープは柔らかく馴染み易くイージーに扱えます 
      から、言葉は悪いですが誤魔化しが利きやすくうまく収まりますが、 
      ペーパーコードは細く硬いので、接ぎ足し部分を隠しにくいですし 
      収まりも悪く融通が利きませんから、編めないことはないのですが、 
      背座を分けたフレーム仕様で考えておくほうが無難ではないかと 
      思います。 
      後一つペーパーコードは綿ロープのように、伸縮性がありません 
      ので、横編みを編み進めていきますと、縦巻きの張りが非常にき 
      つくなってきてしまいますので、あらかじめそうしたことを見越して 
      縦巻きを巻いておく必要があります。 
      下の写真のイスなどは座面の仕様からいけば、二次元曲面です 
      から編み冶具は必要のない形状ですが、このイージーロッカーで 
      使いましたステンレスの編み冶具を入れて編むなどの工夫をして 
      見てください。勿論それなりにあらかじめ縦巻きのテンションを加 
      減しておくだけで十分対応できるでしょう。 
      ペーパーコードのカナコ編みも、綿ロープとは全く別の編む楽し 
      さ面白さを味わうことができますので、是非挑戦してみてください。 
        |