ここで編み目の目数について書いておきますと、この椅子では縦巻
きの目数は今まで書いてきたことや写真からも分かると思います
が、このイスのような背座連続編みの仕様では、必然的に捨て巻
きと本巻きは 2−2−2 で巻くことになりますが、この編み方として
は一番詰めた巻き方になるでしょう。
この椅子のように編み治具を使い編んでいく場合は、2−2−2 です
から特に横編みを通すことが大変になります。本巻きの目数はいろ
いろ理由は有りますが、2本が妥当なところですから、後は捨て巻
きをどの程度にするかになります。勿論捨て巻きの目数を変える
場合は背座連続編みでは一工夫要りますし、背座を分けた仕様に
する必要がありますが、見た目的なバランスから見て行きますと 8
−2−8 程度までになると思いますが、当然縦目の数が減りますの
で、面が柔らかくなりたわみが大きくなりますし、縦目がずれやすく
なります。
椅子の実用を考えますと、面はだんだん緩んできますし、目がずれ
てきますと見栄えが悪くなります。化繊のロープでは滑りやすく目が
ずれやすいですから、綿ロープ以上になるべく詰んだ巻き方にする
べきでしょう。
そんなことで私の場合は見た目的には少しつんだ感じになりますし、
編み込みが大変になりますが、できる限り目がずれないように、面
強度を上げるために今のところ 2−2−2 で編んでいます。
ただペーパーコードなどのように非常に堅いもので、このカナコで
編む場合は、その性質上 2−2−2 では横編みが折れた感じにな
り、うまく収まりませんので 3-2-3 〜 8-2-8 程度にする必要が有る
でしょう。
こうしたことに決まりはありませんので、自分の感性と使用目的、ロ
ープ仕様などで、自分なりの方法を見つけていけば良いでしょう。
巻くテンションとしては経年変化を考えれば、初はなるべく強く巻い
ておきたいところですが、あまり強く巻きますと当然背座面が非常
に固くなりますし、横編みのロープを通すことが大変になってしまい
ます。
またこの椅子の巻き枠強度は三枚ホゾにするなどして、そこそこ強
固に組んであるつもりですが、それでもフレーム強度のことも考えて
巻いていきませんと、ホゾ部分が捩れてきてしまう可能性が有りま
すので、ある程度の手加減が必要になります。
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