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      作業を進めますが、この椅子の仕様では最後の部分は巻き初と同 
      じように、座面側で巻き終わり左右対称に仕上がるようにしますの 
      で、前項で書きましたように巻き残りの寸法を確認しながら進めま 
      すが、どうしても誤差は出てきますので、終わりに近付きましたら特 
      に慎重にスケールで巻き残りの寸法を確認しながら、木べらで各部 
      の詰め具合を調整しながら巻いていきます。 
     
      座面側は上左の写真のように、最後に二回本巻きしましたら、前枠 
      に巻き初と同じように寸法合わせの捨て巻きを三回巻いて、その右 
      写真のようにコーナー内側に、小鋲で二箇所ほど留めて座面の縦 
      巻き作業は終わりです。ここは狭く小鋲が打ちにくいので、ペンチや 
      釘締めなどを使います。後は二段目の写真のように木べらで目を 
      綺麗に揃えておきます。 
     
      次に背側も三段目の左写真のように最後に二回本巻きしましたら 
      三回捨て播きして、へらで巻き終わりを止める溝が出るように、少 
      し詰めて四巻き目を巻き終わりを止める溝の上に巻きクリップで留 
      めます。次にその右写真のように、巻き終り用に掘りこんだ溝に小 
      鋲で釘締めを使い二箇所ほど留めます。次に下左の写真のように 
      3ミリのノミでロープを切り、その右の写真のようにロープを戻して小 
      鋲で止めたところを隠して、木べらで目を綺麗に揃えて縦巻きは全 
      て終了です。
   この椅子の仕様で背座の本巻きのかけ方では、縦巻きの目数(二 
      本ワンセットとして)は必ず背側が一本少ないですから、どちらかが 
      奇数本でどちらかが偶数本になってしまいます。 
      横編みしていく場合には編み方の性質上、縦巻きの本数が奇数で 
      は左右対称に、偶数では左右非対称になりますので、自分なりに 
      背座どちらを左右対称にするか、見栄えよく収まる範囲で詰め具合 
      を調整して、縦巻きの目数を合わせていきます。 
      この椅子ではなるべく背側を奇数本(左右対称)にするようにしてい 
      ます。ただこの写真のイスの場合は背側が偶数本になってしまいま 
      した。  
     
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