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 14 部材加工 8 2003.5.20記

ロッカーの脚(柱)挿し込み部分

 脚(柱)のアーム挿し込み部分

前座枠を接合するホゾ部分

 
  罫書きが終わりましたら角ノミ盤でホゾ穴を空けていきますが、溝
  加工部分のホゾ穴は全て角度が付いていますので、上二枚の写真
  のように角度冶具を下にかましてあけていきます。脚は切り落とし
  て細く加工しますので貫通しないようにアーム部分だけは掘り込み
  深さに注意します。他の部分は板幅が有りますし角度が付いてい
  ますので、あけられる深さ一杯まであけておきませんとホゾ穴が貫
  通しなくなってしまう可能性があります。

  上の写真はロッカー、中の写真は脚(柱)のアーム部分になります
  が、ホゾ穴を開ける面はホゾ穴を開けた後は加工しないことが基
  本になります。これは当然ホゾ穴口は角ノミで綺麗に仕上がります
  が、ホゾ穴内部の面は角ノミの性質上必ず荒れてしまいますので、
  ホゾ穴加工後にホゾ穴口の面を取り去ってしまう加工をしますと、
  ホゾ穴内部の荒れた面がホゾ穴口になりますので、特に通しホゾ
  の出口部分では見栄えが悪くなりますので、必ず面を出してから最
  後にホゾ穴を開けます。
  一般的な框組みで、直線部材を直角に接合するような場合には何
  の問題もありませんが、イスなどでは角度やR、曲線が付いてくるこ
  とが多くなりますので、ホゾ穴加工は基準面や他の作業のことも考
  え合わせて、加工手順を良く考えないといけません。特に通しホゾ
  で両面に角度やR、曲線が来る場合はなおさらです。

  上二枚の写真でいけば、角度の付いた欠き込みホゾ付き三枚接ぎ
  で、どちらも切り欠きの半対面共に R が付きます。
  中写真のアーム部分は半対面の R 加工をしますと、直線の基準
  面が消えてしまいますので、切り欠き加工が終わったこの時点で
  写真のような加工になります。
  また上のロッカーの脚挿しこみ部分は中のアーム部分とは逆に反
  対面より穴あけすることになりますが、これは写真から分かると思
  いますが、切り欠き部分が深くホゾ穴を深く開けることができないこ
  とと、ロッカーのホゾ出口部分は普段は見えない部分ですから、ホ
  ゾ穴あけ後に R 加工しますが不都合は出ませんので、作業の流
  れを優先してここで半対面を開けてしまいます。
  後一つ下の写真は前項で載せたものですが、側面の座枠に左右を
  つなぐ前座枠を差し込むホゾ部分になりますが、ホゾ穴が貫通して
  いないことが分かると思いますが、これなども通しホゾですが半対
  面の加工が有りますので、その後でホゾ穴を貫通させることになり
  ます。この辺りは基準面を良く考えてケースバイケースで自分なり
  に考えて進めます。