写真のロープは300メートル巻きになりますが、化学染料で後染め
したものです。糸の状態で染めてロープを撚れば洗いもしっかりで
きていますので、色移りしにくい綺麗な染めのロープができるそうで
すが、後染めはロープを撚る(編む)ことにより堅い部分ができます
ので、染料の染み込みが均一でなく中までなかなか染料が入りませ
んので、どうしても染めムラができてしまいますし、洗いも不完全な
部分ができて色移りしやすくなってしまうようです。
糸染めしてロープを編むには、ある程度数量がまとまらないとでき
ませんので、個人ではなかなか難しいようです。そんなことでなるべ
く染めムラの目立ちにくい色や色移りしにくい色を選んで、後染め
のロープを使っています。
染め自体は藍染や、草木染、柿渋染めなどの自然染料によるもの
もなかなか良いものですが、かなりの出費を覚悟する必要がありま
すので、心得のある方は自分で染めるのも面白いでしょう。ただ後
染めの染めムラに関しては同様ですし、藍染だけは色移りが大き
いように感じますので、イスには不向でしょう。使うのであればそれ
なりに覚悟しておく必要があります。
実際に、藍染、柿渋染め、草木染めは桜、栗、栗イガ、西洋アカネ
などを頼んで試してみましたが、なかなか良いものです。
ロープの保管については埃や他のものが付着しないようにします。
また湿度の高いところや直射日光などが当たらないように、置き場
所は注意が必要になります。特に直射日光はロープが脱色したり
変色して色ムラができてしまいますので、ビニール袋に入れて更に
段ボール箱に入れたり、黒いビニール袋に入れておくと良いでしょ
う。また湿度が気になるような所で保管するようなことになる場合に
は、ビニール袋の中に乾燥剤を入れておきます。
ただ柿渋染めの場合は埃などの注意が必要になりますが、風通し
の良い直射日光などが当たらない所に、けさにして吊るしておきま
すと発色が進んで染めムラが目立ちにくくなるようです。
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