綿ロープのカナコ編みについて書いてきましたので、少し横道に
それますが関連してペーパーコードのカナコ編みについても少し
書いておきます。
上の左写真はこのイージーロッカーのカナコ編みの拡大ですが、
書いてきていますように、呼び径4ミリの金剛打ちの綿ロープで縦
の編み目は2−2−2で編んであります。
上の右写真は下の写真のイスの座面の拡大ですが、呼び径3ミリ
のペーパーコードで、縦の編み目は4−2−4で編んであります。
座面の裏側の処理は前項にあります、このイージーロッカーと同じ
ように処理していて、なんら変わるところはありません。また端末
処理もまったく同じように、適当なところで2箇所ほど巻き付けて端
末は押し込んであります。
写真で見比べた通り編み上がりの雰囲気は随分変わりますが、
上の左写真の面ロープは腰がなく柔らかいので、経年変化で編み
目がずれやすく、座ったときのたわみが大きくなりすぎますから、
目がズレにくくズレをできるだけ少なくして座面強度を上げるには、
なるべく詰めて編み上げる必要がありますので、2本ワンセットです
から、一番詰めた2−2−2で編んでいます。
また柔らかいので縦巻きを2−2−2と詰めても、ピンセットなどでわ
りと楽に横ロープを編み通すことができます。ただ綿ロープは滑り
が悪いですから、横編みの引き通しがきつくなりますのでかなり大
変です。また詰めていますし、柔らかく目が決まりませんから、一目
一目目を決めていかなければなりませんので、かなり手間がかか
ります。
一方右写真のペーパーコードは非常に硬いので、縦巻きを詰めて
巻きますと横編みが折れた感じになってしまい、収まりが悪くなりま
すし、座面が硬くなりすぎてしまいます。また縦巻きを詰めた場合
は硬いことから、横編みの編み通しが綿ロープのようには楽にで
きなくなってしまいますので、綿ロープの場合に比べて縦巻きはあ
る程度荒くしておく必要があります。写真では4−2−4ですが、これ
はペーパーコードとしてはわりと詰めた巻き方ですから、ケースバ
イケースですが、8−2−8 程度までで考えていけば良いでしょう。
ただ縦巻きの目数を荒くしますと、座面に対して収まりの良い縦巻
きの目数合わせが難しくなりますので、その点は注意が必要にな
ります。
またペーパーコードは滑りがよいので、横編みの引き通しはかなり
楽になりますし、縦巻きは荒くしますので目数が減りますし、非常
に硬いので編み目は自然に決まりやすいですから、編み込み自体
は随分楽ですし、同じ広さの座面を編む時間を綿ロープと比べて
みますと、ペーパーコードでは呼び径は細いですがかなり早く編み
上がります。
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