次に側座枠の板厚を落とした部分は、ホゾ穴が貫通させてありませ
んので、貫通させて通しホゾにします。前項に書きましたアーム部分
の込み栓と同じことですが、ホゾ穴は基本的にはホゾ穴を開ける面
を加工して最後にホゾ穴を開けることによるものです。
前に書きましたように、ホゾ穴を開ける面は罫書き線に角ノミを合わ
せますので、正確に位置が決まりますし綺麗に仕上がりますが、ホ
ゾ穴内部の面は荒れてしまいます。また通しホゾはホゾ穴が長くなり
ますので、角ノミ自体が前後左右にぶれる可能性が高くなり、寸法
精度が悪くなります。
イスなどでは R や曲線、角度が付いてくることが多くなりますので、
通しホゾでは特にこうした作業手順が必然的に多くなります。
上左の写真は板厚を落とした部分は、ホゾ穴の罫書き線がありませ
んので、長手方向だけは角ノミの位置が決まりませんので罫書きま
すが、この面は前座枠で隠れてしまいますので、白書きは必要あり
ません。ホゾ穴の位置自体は上右の写真のように、先に開けてある
外側のホゾ穴から拾います。
こうした部分のホゾの穴あけは左右対称ですから、二段目の左写真
のように先端部分を突き合わせて、ブックマッチの状態にして加工し
ていきます。その右の写真が通しホゾ加工の完了です。 下左の写真は側座枠の先端部分を少し角度を付けて落としたとこ
ろになります。これは見た目的なことと、膝の内側の当たりと見た目
を多少考慮して前座枠と共に角度を付けて落としますが、この部分
は横切り盤の軸傾斜かマイタゲージでの加工になります。出来れば
もう少し角度を取りたいところですが、前座枠が細くなり強度が落ち
まてしまいますので、ここは強度優先です。
また下右の写真は重ね(2枚)込み栓ホゾの間に小根を付けますの
でその小根が収まる部分の加工が済んだところになります。ここは
トリマのフリーハンドで掘り、後はノミで罫書き線に沿ってさらい仕上
げます。
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