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      ロープ編み(カナコ編み)は四角いフレームに編むものですが、フレ 
      ーム全周を編み包んでしまいますので、途中に他の部材を接合す 
      る場合には必ずロープの逃げ道、即ちバイパスを作ってロープを通 
      す必要があります。 
      このイスでは上左の写真のアーム部分がそれに当たります。方法 
      は色々考えられますが、このイスではアームを片持ち式にしていま 
      すので、脚とアームの接合を強固にしていますので、必要最小限の 
      切り込みをしてその部分に板を当ててバイパススペースを作ります。 
      またこの接合ではホゾ穴側の部材(脚)が細くなりますので、部材を 
      補強する意味も含めて一番単純な板を当てる方法にしています。 
     
      12〜16ミリ程度の板を上左の写真のアーム部分の内側に当て罫 
      書いてかたどります。バンドソーで切り出し横ズリベルトサンダーで 
      現合確認しながら仕上げ、次に両木端をロープ編みで邪魔になら 
      ないように、30度程度で横ズリベルトサンダーで木端を1〜2ミリほ 
      ど残して大きく面取りします。次に適当にロープを通す部分の上下 
      に各3、4ヶ所ビス止めの穴を空けます。上右の写真は出来上がっ 
      たところになります。 
     
      下の写真のように接着剤を塗布してビス止めしますが、こうした部 
      分は皿ビスは使わないようにします。皿ビスの形状から来る機能と 
      して必要なこともありますが、そうしたことがなければ基本的に木工 
      には不向きですから、首下が平らで頭が広いビスが適しています。 
      またコーススレッドのようにネジの荒いものも不適です。 
      写真のビスはトラスタッピングですが、貫通しない範囲でなるべく長 
      いものにします。出来ればワッシャー付きのタッピングビスが手に 
      入ればベストです。ロープ編みでは、この当て板をはがす方向に力 
      がかかり続けますし、ビス止めによる脚の補強を考え合わせて、当 
      て板の木取りは必ず板目とします。 
 
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