椅子の設計はアームチェアでも書きましたように、R や角度が付い
てきますので必ず原寸図で設計していきますが、部材等の図面は
1/10で書いていきます。
また椅子の中でもロッキングチェアは、全体の重量バランスやロッ
カーの位置関係から重心がどの辺りにくるか、設計の段階ではな
かなか正確に出しにくいですし、仮に重心の位置が正確の出ても
ロッカーの取り付け角度により、前のめりになりやすくなったり、後
に倒れすぎたりしますので厄介ですし、そうした設計値と体感的な
関係がなかなか掴めませんのでなかなか難しいところがあります。
またロッカーは大きく R を取りますので、有る程度材料の木取りや
歩留まりなども、合わせて考えていかなければなりません。
他にも同じロッカーの R でもシートハイが変われば体感的な揺れ
具合が随分変わりますので、なかなか難しいものが有ります。
具体的なことを言えば当然ですが、シートハイが高くなれば揺れや
すくなりますので小さな R では揺れすぎてしまいますし、不安定で
危険なことも出てきます。またシートハイが低くなれば逆に揺れに
くくなりますので大きな R ではせっかくのロッキング機能をあまり
楽しめなくなってしまいます。勿論これは一般論ですから、そうした
関係をよく理解して、どんな持ち味の揺れ具合にするかはそれぞ
れです。
このイージーロッカーはどちらかと言えばイージーチェア的な発想
のシートハイが低めで、あまり揺らすことを主眼においていません
が、立ち座りが楽なようにイスが動いてくれて、どちらかと言えばあ
まり揺れすぎないようにして、安定感を味わえるような座り心地を目
指したものです。勿論ロッキングチェアですから、そこそこの揺れも
楽しむことが得られるようにしておきたいところですが、なかなか目
論見どおりに行かないところが楽しくもあり難しいところです。
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