おおよその部材加工が出来ましたので、細かな部分の仕上げ加工
をしていきます。
最後は各部の表に出る部分の面を仕上げ、必要な部分を面取りし
ますが、R や角度部分が多いので、小鉋、反り台鉋、ノミを使いま
す。面取りは組立作業で傷を付ける可能性が有りますので、必要
最小限の組み立て後に面取りができなくなる部分のみにしておき、
組み立て後に面取りできる部分はなるべく後へ々と廻します。
次に脚 (柱)、両側座、アームの嵌め合いを調整していきます。
前に書きましたように両側座、アームは平行、脚はテーパーが付け
て有りますが、ここはこの椅子で一番大切な嵌め合いになりますの
で、溝に現合確認しながら直角にも注意して慎重に仕上げていきま
す。
ここは差し込むことが出来れば、なるべくきつめが良いところです。
平行部分の嵌め合いはプレスマシンなどがあれば別ですが、そう
もいきませんのでクランプで差し込める程度の嵌め合いにしておき
ます。ベニマツでこのホゾ仕様であれば、出来れば0.5ミリ強取りた
い所ですが、クランプの締め付けがかなりきつくなってしまいますの
で、私の場合は0.3〜0.5ミリ程度に仕上げていますが、脚の部分は
テーパーを付けていますので、この場合はどの程度まで差し込める
かで見て行きますが、この部分も現合で完全に挿し込んだときに、
最低でもアームと両側座の並行部分と同じように0.3〜0.5ミリ程度
は潰れるように調整します。テーパーを付けていますが、この部分
も木殺して差し込みますので、その分も見込んでの調整になります
が、ケースバイケースで自分なりの感覚を掴むよりないでしょう。
実際に0.5ミリ強でも組めないことはないのですが、鋭角側の挿し込
み口がある程度は潰れてしまいますので、見栄えを重視する部分
はやはりテーパー仕様にする必要があるでしょう。
とにかく微妙な嵌め合いですから、少しでもきつい嵌め合いになる
ように湿度には特に注意してください。春から夏にかけての湿度の
高い日等はこの作業はしないようにします。出来ればこのタイプの
椅子は秋から冬に作りたいところです。
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