上の写真のように罫書き終わりましたら、次にバンドソーで罫書き
線に沿って少し控えて切り出し、横ズリベルトサンダーで荒仕上げ
します。後はサンダーで横ズリ跡を目通しで消してサンドペーパー
で仕上げますが、この背板では内 R 側(背当たり側)は更に上下
方向に R 加工しますので、横ズリベルトサンダーノ横ズリ跡を目通
しで消すまでにしておき、上下方向のR 加工の最後にサンドペー
パーで同時に仕上げます。
またこうした形状の加工手順は、加工方法やその他諸々の理由で
一概には言えませんが、基本的には内 R を初めに加工します。
二段目の写真のように仕上がりましたら、まず写真の下側の部材
にある罫書き線に従って、テーパー削りしていきます。このイスで
は背板は二枚ですが、上側の背板の上端部と、下側の背板の下
端部の上下方向に R 加工をすることで、近似値的ではありますが
三次元曲面的に、全体として背板を後に反した形に成りますので、
背当たりが良くなりますし、上半身の姿勢に対しての快適な対応範
囲が大きく成ります。
横ズリベルトサンダーで必要な角度をセットして三段目の写真のよ
うにテーパー削りします。この角度はイス(背板)の仕様により変わ
りますが、このイスの場合は17度で加工しています。勿論一方(下
側)の背板はこの R 加工した部分は下にして組み立てます。 次にテーパー部分は直線ですから、稜線を目安に頭の中でイメー
ジして、下左の写真のように反り台鉋でなるべく滑らかな曲線に削
りだします。次にその右の写真のようにサンダーで目通して、サン
ドペーパーで仕上げます。反り台鉋が無い場合やうまく扱えないな
い場合は、サンダーで横ズリして目通しすればわりと手早く加工で
きるでしょう。
また本来の使い方と少し違うと思いますが、ランダムアクションサン
ダーで、本体を傾けて円形ディスクペーパーの淵部分をうまく使い、
スイッチをかなり頻繁に入り切りすることで、回転と押し圧を加減す
れば、多少の慣れコツはありますがうまく曲面を出すこともできます。
ペーパーディスクは#60程度のなるべく荒いものを使えば、かなり
短時間で削ることができますし、逆に削れ過ぎに注意しないといけ
ないくらいです。ただこれは想定外の使い方だと思いますので、工
具に無理がかかり不都合が出る可能性が無いとは言えませんの
であえてお勧めはしませんが、こうした方法もあるという参考程度
に見ておいてください。
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