ここで少しフレーム仕様の違うイスの例を挙げておきますが、上の
左写真の座面は、前座枠と側座枠が同じ位置(上下方向)で組ん
であります。また写真では分かりませんが、後座枠と側座枠の上
下方向はずらしてあります。
今まで書いてきた、下の写真のイスの場合との編み上がりの違い
が良く分かると思いますが、どちらもペーパーコードをフレームに
掛ける方法は同じですから、前座枠と側座枠が同じ位置(上下方
向)で組んでいる上の写真の場合は、前後と左右に渡すペーパー
コードはクロスしてロックする部分が上下に離れますので、ある程
度編み進むまでは少し厄介です。
後ろ側は同じように段差を付けてありますので、同じ編み上がりに
なります。
また上の左写真のイスでは、前脚を側座枠の途中に角度を付け
て差し込んでいますが、イージーロッカーの製作過程でも書きまし
たように、カナコ編みにしろこの編み方にしろ、フレーム全周を編
んで埋め尽くさないと座面が編み上がりませんので、フレーム(座
枠)途中に他の部材が接合されている場合は、そのままではその
部分を編むことができなくなってしまいますので、何らかの方法で
バイパスを作り、編むロープを逃がしてやる必要があります。
上の左写真の場合はペーパーコードが3ミリですから、4ミリの貫
通溝をルーターで空けただけのものです。その右の写真は右座
枠になりますが、編んでいる途中ですからバイパスの様子が良く
分かると思います。
当然こうした部分は、バイパスを通さなければいけませんから、前
に書いています束に取って編み進めることはできませんので、バ
イパスの部分は引き通して編んでいくことになります。
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