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 6 部材加工 3 2003.9.18記

ホゾ穴加工終了  

各部材にホゾの胴付きの切込みを入れます


  後脚のホゾ穴(側座枠)を貫通させましたら、前後の脚のテーパー
  部分を横切り盤で落とし、上の写真のような状態で脚の加工はひと
  まず終了して、基準となるホゾ穴が開きましたので各部材のホゾを
  加工していきます。

  二段目の写真のように、始めに各部材のホゾの切込みを横切り盤
  で入れてしまいます。ホゾは基本的に罫書きませんので、イスの背
  板側を絞るような仕様では側座枠に左右勝手が出てきます。
  また設計にもよりますが、座に角度を付ける場合には上下左右に
  勝手が付くことになりますし、ホゾが変心しているような場合には、
  部材の位置、向きなどが分かるように各部材にマークを入れて、ホ
  ゾの切り込み寸法に注意して加工します。下の写真から分かりにく
  いですが、マークしている文字が見えると思います。

  座面だけを見るとこのイスのようなペーパーコードの編み方では、イ
  スの背側を絞って座面を台形にしておくと収まりがよくなりますし、座
  り心地も良くなるように感じます。勿論フレーク強度も上がりイスの
  軽量化につながりますし、イス全体の収まりもよくなるように感じま
  す。また背板などは背当たりを良くするためにきつめの R を付けま
  すので、背板側を絞ることで材料の歩留まりをかなり良くすることが
  できます。
  ただその分側座枠の仕様や前後の貫の入れ方が難しくなります。
  またこのペーパーコードの編み方では座枠の板厚(上下方向)に制
  約が出てきてしまいます。考え方や椅子全体の仕様によりハッキリ
  した寸法は自分なりに考えることに成りますが、なるべく板厚を薄く
  しておく必要があるでしょう。またそうすることでイスにおいて一番必
  要な、前後方向への強度を確保しにくくなりますので、フレーム仕様
  を良く考えておく必要がありますし、特に貫の入れ方などは思案の
  しどころです。
  一方イージーロッカーで書きましたカナコ編みでは、その性質上板
  厚(上下方向)には制約はありませんので、貫を省くような仕様の
  椅子を作ることもわりと楽に出来ますが、このイスのようなペーパー
  コード編みでは難しいでしょう。