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 47 完成 1 2004.3.18記

座 3oペーパーコード編 斜め前より


  少し横道にそれましたが、写真のように座面が編み上がってイス
  の完成です。
  編み座のフレームと編み方についてちんたら書いてきましたが、少
  しまとめますと、フレームはとにかくペーパーコードを編むことで、部
  材を引き寄せる方向ではありますが、イスとして存在する限りはテ
  ンションがかかり続けますし、座ることで更に変動荷重が加わるこ
  とになりますので、ホゾ強度をよく考えて設計する必要があります。
  ベニマツのような軟材ではなかなか辛いものがありますが、とにか
  く針葉樹系の木を使う場合は、特にホゾ、部材強度を確保するよう
  に努めます。
  またこのイスでは少しでも当たりを良くするために、前後の座枠に
  少し R (湾曲)を付けていますので、その部分のホゾには捻るモー
  メントが更に大きく加わります。ただこうしたところも R を付けるこ
  とで得られる効果と、それによる構造対処などの加工の手間や歩
  留まりの悪さなど、メリット、デメリットをどう捉えるかは人それぞれ
  ですが、なるべくイス全体のバランスを考えながら見ていきます。
  一般的に編み込むイスは、角材の框組みだけで構成しますし、こ
  の編み方は座枠をなるべく薄く(上下方向)する必要が有りますの
  で、イス全体としての強度を上げにくいですし、特に前後方向への
  変動負荷に対して強度を上げるために、貫の入れ方などの構造を
  よく検討します。

  ペーパーコード編みについては、座枠から座枠へのペーパーコー
  ドの渡し方が二種類ありますし、フレームも前後左右の座枠自体
  をこのイスのようにずらす場合と、同じ位置で組む場合と二通り有
  りますので、理屈的にはそれぞれに合った方法があるのかもしれ
  ませんが、そのそれぞれの特徴を考えて自分なりにシックリくる方
  法で編めば良いでしょう。
  どちらの方法で編むにしても、編むこと自体としては、前後左右の
  座枠に渡したペーパーコードがクロスする部分を必ず接触させて、
  その接触した部分を、いかにしっかりロックするかが一番のポイン
  トでしょう。