基本的に編み込みは、直角の出た四角を編むものですから、この
イスのように後脚間を絞ってフレームを組んだ場合は、編む部分
が台形になりますので、三角部分を何らかの方法で埋めておく必
要が出てきます。ここでは一番簡単な前座枠の三角部分を(両サ
イド)捨て巻きで埋めただけで対処しましたが、捨て編みにするこ
ともできますし、ここの処理についても色々な方法が有りますので、
処理の仕方によっては稜線の位置が変わりますので、多少座り
心地に影響してきますから、自分なりに納得のいく方法で対処し
ます。
Challenge のイスについてで多少そうしたことも書いていますので、
あわせて参考にしていただければと思います。
自分なりにうまく編めたかどうかは別にして、やはり座面表の編み
上がった時点が、ペーパーコードがうまく収まって面が乱れていま
せんので、見た目的には一番良い状態だと思いますが、立ち座り
を繰り返している間に面が緩んで垂れてきます。当然当たりとして
は柔らかくなり、お尻にフィットして座り心地は良く感じるようになる
と思いますが、編み目が空いてきますから、見栄え的には悪くなり
ます。これはこの編み座ではしょうがないことなのですが、少しでも
良い状態を長く持たせるためには、うっとうしいほど何度も書いて
いますように、ある程度のテンションとペーパーコードがクロスする
部分を必ず接触させて、その接触した部分を、いかに潰してしっか
りロックするかが要でしょう。
写真の編み上がりはあまり綺麗とはいえませんが、これは悪い見
本ということで見ておいてください。実際に編んで見ますと、イージ
ーロッかで書きましたカナコ編みでもこのイスの編み方でも、編み
方自体は至極単純、簡単なのですが、これが結構難しくなかなか
思い通りにはいきませんから、自分なりに試行錯誤を繰り返して、
手が決まるようになるまではある程度数をこなす必要もありますし、
奥の深い所もありますが、そこがまた面白いところで楽しめます。
全て木だけでできたイスも木ならではの良さがありますが、背や座
を編んだイスもまた違った良さが有りますので、是非チャレンジし
て編んだイスならではの作る(編む)楽しさ、座り心地を味わってみ
てください。
|