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 20 組み立て 1 2004.1.1記


前後の貫を結ぶ貫の後ろ側のみ組み立てます

組み付け角度を確認します

 


  イスの組み立ては、一般的に前後をそれぞれ組み立てて、最後に
  前後を組み立てる事が多いのではないかと思いますが、後脚間を
  絞る場合や色々な要素の兼ね合いで、人それぞれ最適な組み立
  て手順が変わると思いますので、自分なりの手順を良く考えます。

  このイスの場合は後足間を絞っていますが、前後をそれぞれ組み
  立てて、最後に前後を組み立てる事も可能な構造ですが、前脚前
  部に R を付けて削りますので、前脚間を組んでしまうと R 削りがで
  きなくなってしまいますので、少し面倒な組み立て手順になります。
  また前後を結ぶ貫が後は平ホゾ、前は胴付きの二段の丸ホゾで
  すから、後の平ホゾ側の胴付を綺麗に密着させるように手順を考
  えます。

  まず始めに、後脚間の貫と前後を結ぶ貫の三枚の重ねホゾ部分
  を組んでいきます。上の写真はその様子になりますが、湾曲してい
  る前脚間の貫は、ホゾ位置を決めるために軽く差し込んでいるだ
  けで、組み付けてはいません。
  この重ねホゾは前後方向の加重に対して要になる部分ですし、強
  度的には少し無理のある構造ですから、クランプ不要な程度に、き
  つめに仕上げて有りすまので、ホゾ穴に接着剤を塗布してホゾ側
  の胴付き面だけに適量の接着剤を塗布して挿し込み、はみ出した
  接着剤を拭き取り、写真のように前側の貫を挿した状態で作業台
  などの上で捻れを確認して、狂いが有れば修正しておきます。
  後は写真のように楔を打ち込みます。
  
  胴付きの密着が悪ければクランプで押さえますが、前側の貫は組
  み付けていませんから、クランプは掛けることが出来ませんので、
  簡易には丸ホゾの先端に掛けることになります。万全を期すので
  あればコの字型の冶具を作り、重ねホゾ側にホゾをまたいで当て
  て、丸ホゾの先端とで締め付けます。
  この時に、下の写真のように貫の直角をスコヤで確認して、狂いが
  あれば斜にクランプをかけて修正します。後は接着剤の乾燥を待
  ちます。