ペーパーコードは非常に硬くて丈夫なものですが、それでもこの編
み座は長年使うことで、ペーパーコードが伸びたり緩んだりして、
座面が垂れて隙間が開いてきます。またこの編み座では座ること
で写真のロック部分を潰す方向に力がかかりますので、編み目が
空いてくることになります。このイスのように前後左右の座枠をずら
した場合は、上側にずらした左右の座枠側に特に力がかかります
ので、前後よりも左右側にペーパーコードが空きやすくなりますの
で、そうしたことを意識しながら編んでいきます。
編み上がりは硬いので当たりもきついですが、使い込むことで座
面が馴染んで柔らかくなり、座り心地は良くなりますが、隙間が大
きくなれば見栄え的には悪くなりますので、なるべく初期の状態を
長く保たせるには、上に書いたような理由から全体になるべくテン
ションをかけて編み、写真のロック部分は可能な限り潰して詰めて
編んでおけば、座ることによるこの部分の潰れる率は少なくなりま
すので、編み目が空いてくる量を抑えることができますから、いか
にこの部分を潰してしっかりロックするかで、座面の質が決まってし
まうと捉えて良いのではないかと思います。
うっとうしいほど何度もくどく書いていますが、この編み方の一番大
切な部分で、ここさえ押さえておけばしっかりした耐久性のある座
面に編み上がります。
ただ基本的にはなるべくテンションをかけてですが、当たり前です
が何事も丁度良い加減というものが有りますので、やたらめった
らにテンションを掛ければホゾ部分に負担がかかりすぎたり、ペー
パーコードが切れやすくなったりして、イス全体としての耐久性が落
ちてしまうことも考えられますので、その辺りはイスとして全体を考
えながら、自分なりに丁度良い加減を見つけてください。
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