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 6 部材加工 2 2002.11.12記

2枚ホゾの穴あけ 1枚ホゾの穴あけ

 

 

薄ノミによる長手面の仕上げ 追い入れノミによる短手面の仕上げ 

 

 

 

 
  ホゾの罫書きが終わりましたら上左右写真のように角ノミ盤でホ
  ゾ穴を空けます。左の写真は2枚ホゾ、右の写真は1枚ホゾを空
  けているところですが、何度も書きますが2枚ホゾは両外を基準
  面としてフェンスに押し当てて穴あけしますので、2枚のホゾ間は
  多少狂いが有りましても、部材に対して精度良く自然にセンター
  振り分けになりますが、1枚ホゾでは片面一度で穴あけしますの
  で、例え角ノミ盤でも2枚ホゾほど精度良く空ける事は、なかなか
  難しいものがあります。

  通しホゾであれば、初に胴付き面で隠れる側で角ノミの位置を調
  整し、軽く試し彫りをしてノギスで確認してから穴あけします。
  勿論ケースバイケースがあり、椅子等ではそこまで神経を使うこ
  とは少ないですが、このキャビネットのように薄板を張るような場
  合には、縦横の框材の面合わせをなるべく精度良くしませんと、
  張り板と框材に隙間が出来やすくなりますので、慎重に穴あけし
  ます。
  この薄板が溝を掘っての落とし込みで有れば、薄板により框材の
  位置が逆に矯正されますので、少し楽になります。
  またこのキャビネットでは下左右の写真から分かると思いますが、
  左右の框は2枚ホゾ前後の框は1枚ホゾですが、同じ位置で直行
  して、ホゾ先をお互いに細くして段違いの通しホゾとなりますので、
  角ノミによる穴あけ手順を良く考えませんと、ホゾ穴内部が欠け
  たりしてホゾが弱くなります。
  写真で言いますと、ノミが入っている2枚ホゾの部分は胴付き面
  で隠れるホゾ元部分で、その手前に見えている1枚ホゾは通しホ
  ゾが突き出る外側に当たりますから、2枚ホゾの見えていない作
  業台に接している面はホゾ穴が半分で通しになっています。
  この辺りは言葉では説明しにくいですし分かりにくいと思いますが、
  あまり写真を撮りませんでしたので、後項で出てくるホゾの写真と
  照らし合わせて良く考えてみてください。
  キャビネット関係ではこうしたホゾ仕様の部分が多くなりますので
  特に注意が必要です。

  角ノミによるホゾ穴加工が終わりましたら、ホゾ穴はそのままでは
  面が荒れていますし、縦(上下)方向は裏表からの穴あけのズレ
  が出やすいですから、下左右の写真のように、縦横各面をノミで
  さらい修正ます。