次に天板を作りますが、実際には本体の流れに合わせてもう少し
早い段階から平行して加工を始め、本体の出来上がりに合わせ
て天板も出来上がるようにしています。
上の写真は天板用に選別した板ですが、ま~見事に真っ黒けの
け~の板ですが、相変わらずこれでええかいなと少し不安になり
ます。写真では良く分かりませんが木表にセンター辺りには所々
にヒビが走っていますが、木表は下にしてキャビネット内に隠れま
すし、支障のない程度のヒビですからそのまま使います。
このキャビネットは奥行きが605ミリ有りますから、3枚の板を雇い
ざねで接いで作ることになります。2段目の左写真は木取りしたと
ころです。木口に板の向きと接ぎ合わせ順がマークしてあります。
接ぎ合せは椅子の製作手順の座板と同じですが、鉋盤で面と木
端を出し、ルーターテーブルで雇いざねの溝を掘り、2段目の右写
真のように組んでクランプで締め、接着剤の固着を待ちます。
次に横切り盤で設計寸法に切断します。
3段目の写真は雇いざねの木口部分ですが、ここでは天板が40ミリ
で雇いざねが10×25ミリ程度です。10ミリはルータービットで決まっ
てしまいますが、25ミリ程度と書くくらいですからこの寸法は大体で、
作るたびにその時の都合気分で変わります。
この雇いざねの厚さは、接ぐ板厚の1/3~1/4程度で、幅は雇ざね
の厚さの2~2.5倍程度の範囲で考えておけば良いでしょう。
また接ぐ板同士の年輪の流れが、この写真の場合はそこそこ左
右対称になっていると思いますが、あまり不ぞろいになりますと、
テーブルなどのように板厚が厚くなれば、製作時にいくら面一に
仕上げても、当然経年変化による目違いが出やすくなりますので、
極力揃えるようにします。
また、写真の雇いざねは追い柾気味になっていますが、基本的に
は板目で取ります。
ここは板目同士に板目の雇いざねですが、柾目の板同士を接ぐ
場合は、雇いざねは板目にして溝幅方向に隙間を少し空けるか?
柾目の雇いざねでピッタリに作るか? またこうした時に板厚が
変わった時にはどうするかなど、さまざまなことが考えられますの
で、自分ならどうするかを考えてみましょう。
下の写真のように鉋で木表の反り止めを蟻挿しする面の目違い
をはらい、ここは本体に被さるところですから、そこそこ平面は出
しますが、削り自体は適材適所であまり神経を使う必要はありま
せん。また、鉋がうまく扱えなければ、板接ぎ作業を丁重にしてお
けば、ランダムアクションサンダーやベルトサンダーなどでわりと
楽に平面を出すことが出来るでしょう。
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