上の写真はルーターで堀残した部分をノミで処理して、ホゾ穴(溝)
加工終了したところです。ルーター加工はルーターテーブルを使い
横溝ビットで加工しましたが深さは14ミリです。私の場合は少し大き
い径の横溝ビットが有りますので加工出来ますが、一般的にはスト
レートビットで加工すれば良いでしょう。
このルーター加工において、一度で完全にセンターに溝を空けるこ
とは大変ですから、こうした場合は溝幅精度自体はそれほど要求
しませんし、加工手順としても溝に合わせてホゾを彫りますので、溝
幅自体の精度よりもセンターに空ける事が大切ですから、向きを
変えて両面から2度掘りして仕上げます。こうすることで精度良くセ
ンターに溝を掘ることが出来ます。
次に扉板を加工していきます。上下のホゾは普通の平ホゾが広い
だけですから、横切り盤で切込みを入れて、後はルーターテーブル
の上下の部材溝を掘った横溝ビットで、ホゾ穴に現合確認しなが
らホゾ幅を加工します。ここも両面から加工しますので、きつめに
仕上げておけば殆ど目違い無しに仕上がるでしょう。
またホゾ幅も借り組みして相欠きの逃げスペースが2ミリ空くように
調整します。
2番目の写真はホゾ加工の済んだところですが、上の板が右側、
下の板が左側で、胴付きの有る側が両外、胴付きの無い側が相
欠き側になります。
また写真から左右の板幅が違うことが分かると思いますが、見え
がかりの板幅を左右同じにするには相欠きの性質上、板自体は
左右異寸で作ること成ってしまいます。当然木表を表にします。
次に板の伸縮の逃げ部分になる相欠き加工をします。ここは板厚
が18ミリですから、9×9ミリの切り欠き加工(シャクリ)になりますが、
ここの切り欠きも張り板と同じように、僅かに深めに欠き取りピッタ
リ重ねたときには0.2ミリ程度互いに飛び出すようにします。
3段目の左写真は相欠き加工の終わったところです。 次にホゾを仕上げていきますが、ホゾ元部分の横切り盤とルータ
ー加工による取り残しをノミでさらい、右写真のように普通のホゾ
同様に胴付き面をすき取ります。
次に4段目の写真のように、小鉋でホゾ先の入り面を取ります。
最後に各部材に仕上げ鉋をかけて、下の写真のように部材加工
終了です。
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