設計が終わりましたら製作にかかりますが、椅子と重複する部分
についてはなるべく端折って、重ならない部分を重点的に書いて
いきますので、椅子と合わせて読んでいただければと思います。
箱物は普通椅子に比べて部品点数が多くなりますので、椅子の
所で書きましたように部材寸法の一覧表を作りチェックして、木取
り忘れなどが無いように注意します。
椅子等では全方向から見ますし、隠れる部分が少ないですからな
るべく見栄えの良い木の中から、部材強度を最優先事項として木
を選別していきますが、箱物では内部や底、裏など隠れる部分や
見えなくなる部分が多くなりますので、節、脂壺、ヒビ、割れ、白太
等を含む椅子では使いにくい材料も、適材適所を良く考えて材料
を無駄無く有効に使うようにします。
また、箱物でも強度は大切ですが、椅子ほど強度を重視する必要
はありませんので、目切れした材料なども椅子ほど神経質になる
必要はなく適材適所で使います。
この隙間キャビネットでは一項の写真を見ていただければ分かる
ように、最終的には天板トップと扉前面しか見えませんので、その
辺りを良く考えて、何でも構わないとは行きませんが、うまく配して
行きます。
また、各面全て薄板張りですが、相欠き打ち付け継ですから加工、
板張りと寸法が特定しにくいですから、木取りにおいては必ず多
めにして、少し使い残しが出る程度にします。
面幅が広くなれば、相欠きの重なりで有効寸法が減りますから
ケースバイケースですが、おおよそ設計寸法より一割強は見てお
く必要があるでしょう。
後一つ、板張りは私の場合均等割りにせず、不ぞろいの板幅の
物を適当に配して張っていきますが、こうすることで材料を無駄無
く使うことが出来ますし、見た目的にも変化があって良いものです。 後は横切り盤、バンドソーで切り出します。写真は部材の木取り
が終わったところですが、天板は含まれていません。今回はたま
たま直に適当な板が見つかりませんでしたから、本体の進行状
況に合わせて適時に木取り、加工していきましたので、後項で出
てきます。
写真の多少綺麗に見える左半分は本体框と扉の部材で、かなり
汚い右半分は各面の張り板で、写真では分かりませんが、白太
を含んだ板や波をうった逆目の出やすい板もかなり入っています。
しかし汚い板で、毎度々こんなんでええんかいなと思いますね!!
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