蟻溝ビットの深さ設定について書き忘れていましたが、深さはケヒ
キで罫書いた寸法より0.2〜0.5ミリ程度深く掘ります。これは天板
と反り止めの伸縮に対する逃げスペースになりますが、蟻溝の仕
様により適宜変えますが、当然狭く短ければ浅く、広く長ければ深
く掘ることになります。
次に反り止めの部材に蟻ホゾを掘っていきます。まず部材に先に
蟻溝の深さを設定したケヒキで、蟻ホゾ深さを引き回します。ルー
タースタンドに蟻溝を掘ったビットを取り付け、ビットの出とフェンス
の位置で切削量を調整しますが、深さ高さ共に少なめにして一度
削ります。まずビットの出を微調整して高さをピッタリにして両面削
ります。ここで蟻ホゾ先の入り面をノミで取っておきます。
次にフェンスの位置を微調整して両面削り蟻溝に当ててみます。
後は差し込めるまでこの繰り返しですが、最終段階では本当に微
妙な調整になりますので、片面だけ削り差し込んでみることに成る
でしょう。
この蟻吸い付きは、差し込むことが出来ればいくらきつくても良い
かと言えば、そうも言えません。きついものを強引に差し込んだ場
合には接着と同じことに成ってしまい、板が伸縮しても板が動けな
くなってしう傾向にありますので、丁度良い加減が有ります。
差し込み具合も蟻溝の仕様により多少変わってきますが、3〜5割
弱手で差し込める程度を目安にして、自分なりの感覚を覚えます。
ここも削りすぎて修整が必要になるようなことがないように、本当
に神経を使う作業です。
上の写真は蟻ホゾ加工の終わったところです。 次は蟻を組んでいきます。2番目の写真は蟻ホゾを差し込んでい
るところですが、基本的には蝋を塗って差し込んでいます。私の
場合は写真のようにクランプで締めて差し込んでいますが、適当
なクランプが無ければ当て板を当てて、金槌で叩き込んでいきま
す。
所定のところまで差し込みましたら、3番目の写真のように差し込
み口部分をビスで固定します。この差し込み最後の部分に接着
剤を塗って差し込んでおいても良いでしょう。 これで下の写真のように、天板の反り止め蟻組み終了です。反り
止めに有る三つの穴は、この天板を本体に組み付ける木ねじ
(ビス)穴です。
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