次に扉を作っていきます。この扉は端嵌めで作りますが、2項の設
計でも書きましたように、これについてはChallengeの「その他のホ
ゾ、構造について 16」 中ほどより少し書いてありますので参照
してください。
この扉は幅310ミリですから、1枚板で端嵌めにするか反り止めを
入れるかにしても作ることは出来ますが、その場合は板の伸縮の
関係で、扉と柱の隙間を大きく取る必要が出て来ますから、見栄
え的にあまり面白くありませんので、2枚の板を真ん中で相欠きに
して、ここでスペースを取り逃げを作っておけば、框組みと同じこと
になりますので、扉と柱の隙間は1ミリ弱にすることが出来ます。
デザイン的にも少し面白いものになります。
また、2枚並ぶ扉板の木目は好みにもよりますが、板目でバランス、
収まりの良いものを選んでください。ただ上下の端嵌めは構造上、
柾目の板が適していますので、扉板もそれに合わせて柾目にする
のも地味で渋いものに仕上がるでしょう。
ここでは写真から分かると思いますが板目で作ります。
まず下ごしらえした上下の部材に端嵌めのホゾ穴(溝)を罫書きま
すが、この場合板厚が18ミリでホゾは6ミリです。ホゾ穴加工は角
ノミかルーター(トリマ)になります。
角ノミは深く掘りやすいですし、両サイドまで掘り残すことなく加工
出来ますが、ホゾ面が荒れてしまいます。
ルーターは両サイドに堀残しが出来ますし、深く掘りにくい(どんな
ビットを使うかと掘る向きにもよりますが)傾向にありますが、ホゾ
面は滑らかに仕上がります。
今回は扉も小さくあまり深く掘る必要もないですし、ビスなどの補
強なしに接着剤だけで組むつもりですから、なるべく接着力が上が
ることを最重視して、ホゾ面が滑らかに仕上がるようにルーターで
掘ることにしました。
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