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 8 部材加工 2002.10.9記

 

前後脚のホゾ穴加工

 

背板取り付け部分の角度冶具による横切り盤切断  切断面を基準に背板ホゾ穴を卦書きます

 

角ノミ盤による背板ホゾ穴加工

 
  次に下ごしらえの済んだ各部材を設計した通りに加工していき
  ます。簡単に言えば家具は凹凸を組み合わせて作りますから、
  その加工手順としては、まず凹を加工します。即ち凹はドリル、
  角ノミなどの工具で寸法が決まってしまいますので、ホゾ穴、溝、
  欠き取りなどを先に加工して、それに合わせて後からホゾなど
  の凸を加工していくことになります。
  順序に決まりは有りませんので、逆でも構いませんが相当楽し
  むことが出来ます。新たな発見があるかもね・・・?

  この椅子は座板の取り付け以外全てホゾ組みですから、まず
  初に前後の足4本とアーム1対にホゾ穴を加工します。設計図
  に従ってホゾ穴と他の必要な線を罫書きます。この辺りの事は
  あまり写真を撮りませんでので少し飛ばしますが、何れ他のと
  ころで少し詳しく書くことにします。

  次に角ノミ盤で角穴を空けていきます。角穴は可能な限り下ご
  しらえが済んだ状態の、一番基準面が多い時点で開けます。
  椅子の後ろ足は普通くの字になりますので、(この椅子ではくの
  字になりませんが、説明上くの字として書いていきます)後面部
  分はくの字に切り抜いて仕上げた後に空ける事になりますし、
  背板部分は座り心地を良くするために角度を付けますので、
  左写真のようにその角度冶具を作っておき横切りで切断して基
  準面を作り、右写真のように背板を取り付けるホゾ穴は、その
  切断した基準面を元に罫書き、その下の写真のように角ノミ盤
  で空けます。

  家具では何を基準にするか、何処を基準にするかが非常に大
  切になります。機械工具はそこを基準に加工していくわけです
  から、部材の下ごしらえで精度良く加工しておくことはそうした
  意味から重要です。
  上の写真は前後の足4本の角穴加工が終わったところですが、
  長い部材の後ろ足背面は、写真では分かりませんが、角穴は
  まだ空けてありません。ここはくの字に切り取りますので基準面
  が無くなりますので、切り取る前に前からだけ中ほどまで空けて
  おきます。背面はくの字に切り取り仕上げてから、最後にもう
  一度角穴を罫書き、角ノミで加工し貫通させます。
  初に貫通させて切り取りますと角穴出口の直線、直角が荒れ
  てしまいます。角ノミは入り口しか綺麗に加工出来ませんので、
  必ず面を仕上げてから罫書き最後に加工します。
  勿論これはベニマツの性質上、通しホゾが多いことによるもの
  です。

  角ノミ盤の押さえは通常平行な物をクランプするようにで来てい
  ますから、椅子の場合には角度の付いた穴あけが多く出てきま
  すので、適宜写真のような三角の角度冶具を作り、クランプす
  るようにします。この角度冶具が増えていけば、作らなくてもそ
  の組み合わせで対処出来るようになります。また板厚を40ミリ
  前後の厚めな物で作っておけば、垂直に角度の付いた穴あけ
  にも使えます。これも椅子ではよく使います。