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 19 組み立て 2 2002.10.20記


アームチェア(板座)

部材ホゾ部分

 


 

 
  これで全ての準備が整いましたので、いよいよ組み立てに入りま
  す。まずどの順序で組み立てるかになりますが、設計のところで
  も少し書きましたように、場合によっては組みにくくなったり組み
  立て出来なくなる事もありますので、冷静に良く考えて進めて行
  きます。
  この程度の単純な椅子でしたら組み立て順序はさほど影響あり
  ませんが、それでも成るべく不都合の出難い順序を考えるように
  します。
  あと一つ考えておかなければいけない事は、箱物では基本的に
  直線部材にホゾ加工を施してそのまま組みますので、さほど問
  題に成る事はないのですが、椅子などでは曲線 R に加工する
  部材が多くなりますので、ホゾ加工後に曲線 R の切り抜き加工
  することにより、部材のバランスが崩れますので、木取りの所でも
  書きましたように加工後に、またバランスを取ろうとして部材が動
  きますので、ホゾの位置関係が狂って来る可能性があります。
  こうした事からも椅子の部材、特に曲線 R を取る部材は成るべく
  目の良く通った素直な木を選んで、狂いを最小限に抑える必要が
  あることが分かると思います。
  目視では分からなくても、曲線 R の部材は必ず動いていると考え
  ておいた方がいいでしょう。この椅子では特に背板の R が小さい
  ですから動く可能性が大きくなります。
  ただこれも相手が木ですから、ある程度は馴染んでくれますので
  それほど神経質になる必要はありませんが、一応頭に入れてお
  きます。
  この椅子は下の写真からも分かると思いますが、全て単純な平
  ホゾで単純な設計ですから、不都合の出る要素は少ないですが、
  椅子によっては胴付がうまく決まりにくくなったりしますので、部材
  をそのまま差し込む大入れにしたり、丸ホゾにして差し込んだり、
  ウインザーチェアのように角度に対してある程度柔軟に対応でき
  る要素を取り入れたりの工夫も必要になってきます。この辺りも
  椅子の難しく面白いところです。

  この椅子の組み立てでは、一番目立ちやすい背板の胴付が成る
  べく綺麗に組みあがる事を最優先して、まず前足と後ろ足をそれ
  ぞれ組み最後に前後を組み上げる事にします。またアームは前
  足に組んでしまっておくか、前後を組む時にするかになりますが、
  前後の組み立て時では忙しさが増しますので、初に前足の組ん
  でしまいます。