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 3 木の選別(木取り) 2002.10.4記

見た目は結構汚いです 座板は含まれていません  

写真はクリックで少し大きくなります。

 

 

 


    設計が終わりましたら、いよいよ制作にかかります。設計した
  部材の図面から、メモ用紙などに切り出す部材の寸方を書き
  出して一覧にし、切り出した部材は順次消していくようにすれ
  ば忘れも無くなるでしょう。
  忘れること自体ははたいした事ではないですが、結構ガックリ
  来て精神衛生上よくありませんし、作業ペースが乱れますので、
  自分なりの方法を工夫してチェックするようにしましょう。この
  程度の椅子一脚であれば部材数も少ないですから、それほど
  の事はないかも知れませんが、箱物や部材数の多いものでは
  慎重に進めます。
  
  写真は椅子の部材を取るために探し出した板ですが(座板分
  は含まれていません)、随分薄汚れていて大丈夫かなと思わ
  れるかもしれませんが、私もそう思いますし毎回不安になり、
  夜もうなされて安眠出来ません。それもこれは綺麗な方の木
  表側です。
  乾燥時の桟積は木表を下面にして積みますので、木裏の上
  側は相当黒く汚れてきます。ちなみにこの板は久のある屋外
  で3年工房内で3年に以上乾燥させた板です。
    写真では分かりませんが、長い板2枚ともセンター付近の縦に
  ほぼ通しでひびが入っていますので、椅子の場合にはそうした
  部分は必ずそこをはずして木取ります。

  箱物では直角が多く面も有りますし、動荷重は殆ど考慮する
  必要はありませんので、目切れした板やひび、割れなどのあ
  る板も隠れる部分や契などで品良くまとめてやれば、もそこ
  そこ支障なく使うことが出来ますが、椅子は部材は捻りや局
  部的な加重、動荷重が加わりますので、板の状態や木目を良
  く吟味して特に目切れには注意して選別します。
  また椅子はRや曲線が多くありますので、そうした部材の柾目、
  板目、追い柾の適材適所を良く考えて選別します
  板の選別においては、割れ、ヒビや反り、捩れの無い木目の
  良い物は貴重ですから、テーブルやキャビネットのトップに回し
  ます。
  この椅子のように座が板でアームがある場合には、こうした
  部分に目が行きますので、アームは一枚の板を割り左右に
  振り分けます。また座板は一枚の板を切断して幅広の板にす
  る事で見た目の収まりがよくなります。 

  後一つはアテ材やそれに近い板などもありますが、使わずに
  済めばそれに越したことありませんが、そうも行きませんので
  こうした板は強度は有りますがRが付いたり、細く挽く部材で
  は反り、捩れが出てしまいますので、椅子には不向きです。
  なるべき切り刻まずにして使い、組んで動きを押さえるような
  部分に回します。
  また部材の切り出しは、設計した部材の寸法に削りだす余分
  を見ておく必要がありますし、特に板厚は捩れや反りがある
  場合には取り出せる有効板厚が減りますので、注意して選別
  します。後は写真のように、おおよその切り出し線を黒チョー
  クのフリーハンドで書き込みます。