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 29 座板作り 3 2002.10.30記


横切り盤による座板寸法決め  脚部分の座板切り欠き加工

座板切り欠き終了

座板完成
 


  自動鉋盤で厚さを決めましたら、横切り盤で上の左写真のように
  仕様寸法に切り出します。
  次に四隅に4本の足が入る切り欠きを、その右の写真のように横
  切り盤で切り取ります。この切り欠きは、必ず組み上がっている
  椅子の実寸をはかります。
  足の前後左右の内寸をしっかり確認し、横切りの切断は木端、木
  口を基準として外から切り込みますので、ここで一番重要なのは
  切り込み寸法ではなくて、前後左右足間の内寸ですから、くれぐ
  れも切り込みすぎないように慎重に進めます。

  この椅子ですと、内寸は左右の足間は実寸より1ミリ狭く、前後の
  足間は2ミリ狭くします。見た目的には成るべくピッタリ仕上げたい
  ところですが、木の伸縮とアームが有りますから、傾けて座板をは
  め込みますので、この程度は見ておく必要があります。
  前後は座枠と座板は木の向きが直交しますので、座板の伸縮の
  逃げとしてこの程度は見ておく必要があります。これがきつ過ぎ
  ますと、座枠とホゾを抜いてしまうほど座板は湿度で膨張します。
  また、左右は座板を傾けるための逃げ寸法として、この程度控え
  ませんと座板が入りません。
  
  こうした座板の椅子はアーム無しであれば、ぎりぎりで後足間に
  差し込めますが、アームが有りますと組み立ててからでは、座板
  がはめられなくなったりしますので、設計の段階で良く考えてシュ
  ミレーションしておきます。また良く分からなければ、前後を組む
  段階で借り組みして確認し、組んでからでははめられなければ、
  前後を組む段階ではめ込んで組み立てます。
  しかし基本的には、もし座を取り替えるような事態が起きた時の
  ことも想定して、組んでからはめ込めるように設計しておくべきで
  しょう。
  この椅子では勿論組んでからはめ込めますが、前足左右の内側
  アーム下の R 処理が無ければはめ込めないぎりぎりの設計です。

  2段目の写真は横切り盤による切り欠き加工の済んだところです。
  ここでは座板の罫書きについては省略していますが、次に座板前
  部の R 加工と後ろ足間の幅は50ミリ絞ってありますので、両側の
  R 加工をします。両木口はバリが出やすいので、横切り盤で大ま
  かに切り出し、後は横ズリベルトサンダーで荒らし上げして、サン
  ダー、サンドペーパーで仕上げます。
  最後に表だけ仕上げ鉋をかけて、裏表、格部面取りをして下写真
  のように座板の完成です。