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 27 座板作り 1 2002.10.28記

 

 


手押し鉋盤による接ぎ面出し



 



 


 

 
  次に座板を作っていきます。説明の都合上ここで書いていきます
  が、実際には本体の組み上がりに合わせてもう少し早い段階か
  ら加工を始めています。
  加工自体は他の部材と何も変わることはありませんが、この椅子
  の座板寸法が幅 510×奥行 440 になりますので、これだけ幅広
  の1枚板は手持ちがありませんので、2枚の板を雇いざねで接い
  で作ることになります。
  この雇いざねについては、Challenge の「雇ざね接ぎについて 」に
  も書いて有りますので、合わせて参考にしていただければと思い
  ます。
  まず、手押し鉋盤で片面の平面を出し、次に自動かんな盤で板厚
  を決めていきますが、この自動かんな盤は幅500ミリまでかかりま
  すので、1枚に接いだ後の平面修正は自動かんな盤で一削りして
  しまいますので、座板の仕上がり寸法より 1 ミリ強程度厚くして下
  ごしらえします。
  次に板を見て木表木裏、順目を揃えて接ぐ側を決めチョークでマ
  ークして、写真のように手押しかんな盤で接ぐ面の平面と直角を
  出します。板接ぎの場合には全て同様にしますが、継ぎ合わせる
  面を削る場合は、継ぎ合わせる面同士において、片側の木表を
  フェンスに押し当てて削った場合には、もう片方の板は裏表逆に
  して木裏をフェンスに押し当てて削ります。
  こうすることで多少フェンスの直角に狂いが有った場合でも、接合
  自体は僅かに菱形(台形)になりますが、板接ぎとしては平面が出
  ます。勿論フェンスが直角であることが一番ベストですが、色々な
  状況の対応予防のためにこうした発想は知っておいたほうが良
  いでしょう。

  この椅子の接ぎ合わせでしたら、私の場合は横切り盤での加工
  もできますが、今回はたまたま鉋盤で加工しました。横切り盤での
  加工においても手押し鉋盤と同じように、接ぐ面同士は裏表逆に
  して切断します。
  当然このときの削り面(木端)の順目逆目は無視して木の裏表を
  優先しますので、逆目加工になるような場合は、削り寸法、切断
  寸法を少なくして、慎重にゆっくり加工すれば逆目は起きません。