次に前後の足を最終仕上げします。上左の写真は前足前面の
上部を横切り盤で罫書き線より少し控えてテーパーカットし、鉋
で仕上げます。
次に上右写真のように、前足内側面の上部を緩やかな R で仕
上げます。
勿論加工は R ですから、バンドソー、横ズリベルトサンダー、サ
ンダー、サンドペーパーです。
こうした部分の加工も、直線のテーパーと緩やかな R のどちら
を先に加工するかで、加工のし易さが変わってきますので、良く
考えてみてください。
この辺りの加工はデザイン的な事もありますが、機能、使い勝手
や座板を取り付ける場合の製作的な意味もあります。
2段目の写真は加工の終わった両前足ですが、良く見えている面
は左右方向の内側です。 これはいたって単純な椅子ですから、どの順序で加工してもさして
支障があるわけではありませんが、少し複雑なものになりますと
基準面が消えたり、平面がなくなりますと加工が厄介になりますの
で、成るべくこうした所が残るように作業手順を考えて作業してい
きます。 次に後ろ足のテーパーカットした、背板を取り付けるホゾの基準
面にした部分を、3段目の左写真のように R の型紙を作っておき
罫書きます。後はその罫書き線を目安に、鉋で左の写真のよう
に削り仕上げます。写真上部分の前面との稜線が左右蒲鉾型に
揃うようにします。
この R 加工はデザイン的な面もありますが、ベニマツはあまり強
度がありませんので、後ろ足の背板通しホゾ部分の機械的強度
を少しでも稼ぐために、なるべく肉厚を増やし尚且つ視覚的には
それを感じさせないことを狙ったものです。
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