「まだまだ志し途中」と話す小野田加代子さん (令和3年12月4日撮影) |
区民だより編集委員・伊藤 (以下 伊藤) : 加代子さんが神職を志した事はじめは何だったのですか?
明知神明宮宮司・小野田加代子(以下 加代子) : 母方の祖父が尾張で神職をしていました。
縁あって私も神職の大学に行きました。
神職の資格が取れる大学は、日本には國學院大学と皇學館大学しかありません。
私は伊勢にある皇學館大学に行きました。
大学には神道学科、国史学科、国文学科、教育学科があって、私は神道学科に入りました。
神道学科、国史、国文学科は神職の資格は取れるが、教育学科は神職の資格は取れません。
当時女子は少なく、男女雇用均等法が始まったばかりで、大学を卒業しても女子の神職の仕事はほとんどありませんでした。
私は運よく、唯一女子を採用する京都のとある神社の内定が決まっていたのですが、県内の結婚式場に就職しました。
それでも神職に関わる仕事がしたかったので、祝詞(のりと)に関わる仕事をし、そこで塚本宮司さんにお会いしました。
塚本さんが明知神明宮の宮司に就任した時、私も明知神明宮で結婚式をあげました。
伊藤 : 塚本さんと縁があったのですね。
加代子 : そうですね。
打越で巫女舞を指導していましたが、明知下でも教えるようになりました。
伊藤 : 現在どんな活動をしていますか?
加代子 : 神明宮の例大祭や新嘗祭、祈年祭を始め、年間行事に関することを中心に、七五三や明知下いきいきクラブの長寿祈願祭、地鎮祭などに出席します。
地鎮祭は勉強しました 加代子 : 結婚してから豊田の拳母神社で結婚式やお正月のお手伝いをしてます。去年はお正月や七五三のお手伝いをしました。 明知下神明宮に就任してから原田建築さんの依頼で、明知下の地鎮祭をするようになり、それまで地鎮祭の仕事をしたことがなかったので勉強しました。 今では明知上、打越など明知下近辺に出かけています。 また明知神明宮の仕事だけではなく、愛知県神社庁には年数回研修があり参加しています。 神主さんの袴の色で位がわかる 加代子 : 神職が着ている服は「装束」(しょうぞく)といいます。 装束は神社本庁によって、特級・一級・二級上・二級・三級・四級という階級があるのです。 資格、在職年数、研修履歴などによって装束の色が変わります。 二級上は県内でも数名しかいません。 ![]() 伊藤 : これからどんなことをしたいですか? 加代子 : いままでのやってきたことはもちろんですが、みなさんに参拝基本作法を知っていただきたいと思います。 お宮参り、七五三、地鎮祭などでのお参りの仕方、玉串の捧げ方などわからないから携帯を見てサッサッとしてしまう。 そうではなく、一連の基本作法を覚えてほしい。 覚えて損になることはありません。 |
![]() 明知下いきいきクラブ長寿祈願祭にて(令和3年10月2日撮影) ![]() 秋の大祭にて(平成25年10月20日撮影) |
お参りは「二礼二拍手一礼」心を込めて祈りましょう! 明知神明宮氏子総代長 小野田 鋭治(以下 鋭治) : 神社の鳥居をくぐるところから参拝の作法があるのでみなさんに覚えてもらいたいですね。 決して難しいことではないので、わからないことがあったら質問して下さい。 加代子 : そうですね。 若い人たち、年配の方々との明知神明宮や津島神社の常夜灯の言われなどについての「交歓会」という場があればうれしいですね。 若い方は、岡持のような箱が廻ってきて「何?これ?不気味!」とビックリする。 伊藤 : なるほど!若い人たちにはわからないかもしれません。 私もここに来て初めて知ったくらいだから・・・ 加代子 : 箱に言われを書いた紙を付けておきました。順番が来たら是非読んでください。 明知下の住民たちが毎日、ろうそくを立て献灯する風習が長く続いてきました。 これからも明知下の風物詩になって欲しいと思います。 |
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![]() 秋の大祭にて(令和3年10月24日撮影) |
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他に西山の平成地区に六部地蔵がありますが、年度末に(3月)に神明宮関係者と明知上の年行事の役員の人たちが、淨久寺と光明寺合同で六部地蔵祭をします。 また、子供たちにもたくさん遊びに来てほしいですね。 ジュニアクラブの神輿や出店などをしてくれて、とても活気があって大祭時には賑やかでしたが、コロナで消滅してしまい残念です。 鋭治 : 高い木に登ったり、相撲の土俵があったりと昔は神社には遊べるところがたくさんあった。 携帯が普及してから神社から子供たちの姿は消えていったね。 ![]() 毎年盛大に行われていた秋の大祭 コロナウイルス感染防止の為、2年続けて縮小して開催されました |
![]() 小野田宮司と神明宮小野田氏子総代長(令和3年12月4日撮影) |
加代子 : そうですね。ポケモン探しに来るくらいですね。。。 区内だけでなく、区外から来た人にももっと興味を持って欲しいです。 明知下の人も区外から引っ越してきた人も明知神明宮の氏子さんなので、お参りに来てください。 鋭治 : 神明宮は格が高いので、区外の人が結構お参りに来るのですよ。 でも日中社務所は閉まって閑散としているし、おすすめスポットがない。 今回、参道横に「穴あき石」 や本殿裏手で「夫婦の木」のように3本絡まった木が見つかったのですよ。 そういうめずらしいものも見に来てほしいと思います。 |
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加代子 : そんなことで、令和4年から年間行事の祭礼の日、終わった後にたとえば車のお祓いをする、心願成就、健康、身体安全、病気回復などの御祈祷を受付ようと思います。 また、お正月三が日の午前9時30分~12時まで御祈祷を受け付けます。 伊藤 : それはうれしいことですね。 神明宮が活性化されますね。 加代子 : 新たに発見した棟札もお正月三が日に一般公開しよう思います。 たくさんの方に明知神明宮を知っていただきたいと思います。 平成17年に発行された「明知下区誌」。 その中に明知神明宮の棟札が掲載されていますが、今回他にも22枚の棟札が神明宮にて発見されました。 桐の木箱に入っており、蓋の裏には「昭和17年4月29日 社掌 大島金作 謹書」と記銘入りです。 棟札についての情報はこちらから 一番古いものは、寛永12年(1635)に天照大神を祭る社を建設した際のもの、他にも元文5年(1740)に伐渡八幡社、天保7年(1836)金毘羅社を再建したという棟札もあります。 また、建設に関するもの以外修理にかんするもの、祈願に関するもの、祭神を追加したものなど多様です。 今回、お正月三が日神明宮にてこの棟札を展示することになりました。 興味のある方は是非ご覧ください。 公開日 令和4年1月1日(土)・2日(日)・3日(月) 時間 午前9時30分~12時00分 場所 明知神明宮 松・竹・梅の間にて また、お正月三が日の上記の時間内、各御祈祷を受け付けております。 御祈祷料 5,000円~ |
編集後記 以前の神明宮は、お守りは2種類、色は2色、形は決まっていてありふれたお守りだった。 加代子さんが見えてからは、お守りも多様化され、色もキレイ、可愛いお守りが増えました。 受ける側(買う側)としては、そういう細かいところがうれしい。 そういう所はやはり、女性神主さんの視点の深みだと思います。 みよし市の中でも一番格の高い神明宮。 区民の誇りでもありますね。 が、境内が閑散としている。寂しい。見どころがない。。。など。 「なんかおもしろいものはないの?」 「これだけのお宮、もったいないよね。」 と言っていたら、穴あき石が姿を現した。3本絡まった木がある。 「そういえば、こんな石があったわ。」と思い出す人もチラホラ。 魅力があると➝活気が出る➝ご利益がある➝人が来る。なのでしょうか。。。 来年からはいろいろ御祈祷を受けてくれるようです。 活気のある神明宮になるとうれしいですね。 区民だより編集委員(伊藤) |