関心有る方はメール下さい
炭と微生物を用いた河川の浄化

    −環境NPOによる活動事例−
                 ○ 鬼頭俊雄A、 吉澤秀治B
  (A NPO法人矢作川と三河武士フォーラム、B明星大学アジア環境研究センター)
              E-mail: y-and-m@hm2.aitai.ne.jp

 1. はじめに
  河川環境を改善するために、安価で環境への負荷が小さく、高い浄化能力を持った技術が求められて
いる。日本では、雨水や井戸水、湧水の浄化のために、炭を用いることが長く行われてきた。自然の河川の
水質浄化力は、微生物や微小生物の力を借りることになるが、微生物の浄化能力以上の汚染物質が流入
することが、河川の汚染をもたらすのである。微生物の浄化能力を向上するために、微生物を増殖・保持す
るために、炭と微生物を複合化することにより効果が上がることが分かった1)2)。「NPO法人矢作川と三河武
士フォーラム」では、炭と微生物の複合体を用いて、愛知県豊田市を流れる一級河川の矢作川流域で河川
の浄化活動を行っている。2002年から矢作川支流の御船川や樫尾川、2003年から境川支流で山の手川、小
石川や逢妻女川、2005年から矢作川支流の市木川などの水質浄化を行っているので、それらのいくつかを
報告する。

 
 2. 炭と微生物の散布
  図1に示すように、当初は培養した微生物を定期的に散布していた。微生物の培養は、浄化しようとする
現場の川の水を直接汲み上げて、それに種菌となる培養微生物液を約1%(例えば水1000リットルに対して培
養微生物液10リットル)、及び微生物の餌となる糖蜜などを加えて行った。最近は、培養液の散布 だけでは
なく、培養微生物を付着した竹炭の粉炭も散布している。竹炭を用いることは、荒れた竹林整備時の間伐竹
材の有効利用として、炭化処理が地球温暖化をも
たらす二酸化炭素(炭酸ガス)の固定化にもつながるため
である。
 河川への培養微生物の散布竹炭を粉砕することにより、微生物との接触効果を最大限に発揮させること
ができ、多量の微生物を担持することが出来る。図2には、粉炭上での微生物の状態を示す。板状の粉炭上に、粒
状、円盤状、不定形の微生物が観察される。これらの微生物は、嫌気性の微生物が主体と考えられる。また、微生
物の栄養成分が存在すると、微生物が炭表面で増殖しやすいこと、粉炭が川岸や川底に止まりやすいために、ヘド
ロの分解などで微生物の効果が持続することが期待できる3) 。
 
 3. 矢作川本流の浄化

  炭と微生物の散布を続けると、数年のうちに矢作川そのものが浄化されるようになった。これは、支流で散布した
微生物が本流の矢作川にまで達し、本流の浄化が進んだためと考えられる。その結果、図 3に示すように2004年
から鮎の遡上が始まり、2005年以降、多くの釣り人が鮎つりを楽しめる環境にまで回復した。
 
 4. おわりに

  この矢作川水系の実績に力を得て、2005年から2006年にかけて、同様な浄化活動を以下のような各地の河川
で実浄化効果が顕著にみられている。
 
 1.愛媛県松山市・愛媛大学と市民活動による明神川水質改善活動。
 2.名古屋市緑区、新川排水路の浄化について、名古屋市との合同事業で実施。
 3.静岡県立天竜林業高等学校が主体で、本校敷地内を流れる旧二俣川の浄化活動。
 この他、愛知県内、浜松市、など数箇所から浄化活動への参加要請が来ている。

  
参考文献
 1) S.Yoshizawa, S.Tanaka, M.Ohata, S.Mineki, S.Goto, K.Fujioka, T.Kokubun, Promotion Effect of Various
   Charcoals on the Proliferation of Composting Microorganisms, TANSO, no. 224, 261-265 (2006).
 2) S.Yoshizawa, S.Tanaka, M.Ohata, S.Mineki, S.Goto, K.Fujioka, Proliferation of Aerobic Complex
  Microorganisms during Composting of Rice Bran with Charcoal, Proc. Inter. Conf. of Organics Recycling
  and Biological Treatment (ORBIT 2006), Weimar, Germany, Sept., 13-14, 2006, pp. 395-399.
 3) 特願2006−215550、出願人:鬼頭俊雄、有機被処理物の腐敗、発酵処理方法及びそれに用いられる
 腐敗、発酵処理剤
   

『みんなで地球・愛&あいち環境NPO活動ワッショイ』

 第4回 炭と土着有用微生物による水質及び自然環境浄化活動紹介

<水素発酵による水素生産・水素発生微生物の発見と水素発生>

炭やきは地球を救う−国際シンポジウム・炭と微生物

        主催 NPO法人矢作川と三河武士フォーラム

共催 あいち炭やきの会・みんなで地球愛ワッショイ!実行委員会 

4回みんなで地球・愛ワッショイ!実行委員長 鬼頭 俊雄

 日時:8月2日(土)10時〜17時、      

 場所:愛知県豊田市 豊田スタジアム一帯(コンコース・芝生広場)

     活動発表・パネル展示・内容紹介・フリーマーケット

    市民参加アトラクションなどへの参加は無料です。

講演会・パネルデスカション・シンポジュウム。

     講演会の参加費 一般2000円・市民ボランティア活動者1000円)資料代

     予定講演者>8月3日(日)10時〜16時 記者報道室 

◇大阪工業大学客員教授 小川 真 氏   ◇国際炭やき協力会会長  杉浦 銀治

愛媛大学大学院農学研究科教授 鶴見武道氏◇元東邦大学理学部教授  大森 禎子

明星大学 理工学部環境システム学科 教授 吉澤 秀治

◇横浜国立大学  講師 佐野 彰 氏   ◇大坂工業大学  講師  古崎 康哲氏

愛知教育大学名誉教授 太田 稔 氏   ◇豊田市立古瀬間小学校長 近藤 憲司氏

NPO法人矢作川と三河武士フォーラム 理事長 鬼頭 俊雄 他

     地球に優しく、自然に、人に優しい素材研究及び活動者を広くお願いし多くの方に参加要請します。

パネルデスカション16時〜17時 参加者との意見交換

8月2日午後17時30分より<講演・参加関係者…会費3000円で親睦交流会開催>

◆<市民参加アトラクション> 参加費は無料です。

◇炭と微生物で蘇った矢作川水系・樫尾川の見学、現地観察案内 8月2日(土)10時

豊田スタジアム出発 2日10時30分、 車で送迎、先着30名 

◇矢作川遊覧  8月2日(土)12時30分〜13時30分、矢作川・久澄橋下流一帯、自然が蘇った矢作川を、矢作川環境・自然観察を舟で遊覧(久澄橋下流〜30分) 先着30名 

◇参加費無料三河湾水質浄化フォーラム 豊田スタジアム 2・3日 朝10時〜 矢作川水系・三河湾流域住民の水質浄化活動報告とパネル展示 

◇ジュニアふれあいハートフェスタ、魚の?み取り 8月2日(土)13時30分〜14時

郷土芸能発表会 豊田スタジアム 特設ステージ 2・3日 朝11時〜適時開催 

<参加希望者募集受け付け> NPO法人矢作川と三河武士フォーラム 本部事務所 愛知県豊田市美里4丁目−2−23

電話TEL88−8111、FAX88−8112

emexpo21@hm7.aitai.ne.jp http//:hm7.aitai.ne.jp/~emexpo21 

予定締め切り 7月30日 

第4回みんなで地球・愛ワッショイ!実行委員会 担当 鬼頭まで